昨今の共働き世帯増加に伴い、保育園以外でも保育の専門的な知識や技術を有する保育士が必要とされています。
資格を活かせる仕事を知ることで働き方の幅がぐっと広がりますので、ぜひチェックしてください。保育士の経験しかないからといって、働き方の選択肢が保育士のみに限られるわけではありません。
転職を考える方の中には保育士を続ける方もいれば、全く別の職種を選ぶ方もいます。

保育士の主な就職先についてご紹介します。
保育園(保育所)
保育園などの保育施設は、保育士の就職先として一般的です。同じ業種なので即戦力として活躍できるのが大きなメリットとなります。
保育園によっても仕事内容や勤務時間、給与などが異なるので、さまざまな園を見比べて働きたいと思うところをピックアップしておきましょう。
福祉施設
保育園以外にも、母子支援施設や障害のある児童の支援施設などの児童福祉施設も保育士を募集しています。こういった施設は保育士資格や保育経験を活かすことができます。
この他にも、家庭の事情で親との生活が困難な子どもたちの総合的な支援を行う児童養護施設や、親の事情で育てることのできない乳児を預かる乳児院、障害を持つ子どもたちが入所している障害児入所施設などでも保育士の資格を活かせます。
子どもと接したいけど保育園以外の場所で働きたい人には最適な選択肢ではないでしょうか。
一般企業
一般企業の場合、保育士資格を活かせる機会はあまりありません。中には活かさないまま他業種で活躍する人も多いです。勤務時間や給与、条件が保育園と異なりますので、自分に合った仕事を選ぶことも珍しくありません。
一方で、一般企業の中でも保育士としての経験を活かせるケースもあります。
例えば子どもを学習面からサポートする塾の講師や習い事の先生、子ども服の販売員、子ども向けアミューズメント施設の職員などが挙げられます。

【施設別】保育士資格や経験を活かせる主な仕事10選
保育士資格を活かせる主なお仕事について紹介します。
仕事の内容は施設によって様々。自分に合ったお仕事を見つけましょう。
保育園
やはり資格を活かせる代表格と言えば保育園。
保育園はそれぞれに違いがあり、運営形態も異なります。公立なのか私立なのか、認可保育園なのか認可外保育園なのかなどをしっかりチェックしましょう。
園それぞれに特色や働くメリットがあります。
少人数の保育に特化した施設もあるので、自分に合った保育園を見つけましょう。
居宅訪問型保育
居宅訪問型保育は利用者の家庭を訪問してマンツーマンで保育を行います。ベビーシッターと異なり、必要な研修を修了して保育士と同等以上の知識や技術を有した保育者が保育を行います。
また、居宅訪問型保育は何らかの理由で保育園での保育が行えない家庭が対象となります。
そのため、病気などの疾患や障害を持つ子どもが多く、通常の保育園とは違った経験や知識を身に付けることができるでしょう。
ベビーシッター
依頼を受けて家庭を訪問し、子どもを預かります。子どもの人数は基本的に1~2人で、主に一人で対応します。ベビーシッターは0歳~12歳までの子どもを対象としているところが多く、希望に合わせた柔軟なサービスが特徴です。
子育てをしている保護者や子どもとは、より密接な信頼関係を築くことが求められます。派遣やパートが多く、中には自営業として開業している人もいます。
ベビーシッターになるのに特別な資格などは必要ありませんが、保育経験があればより採用されやすくなるでしょう。
保育ママ(家庭的保育)
保育ママは、保育を行う人が自宅で子どもを預かるお仕事です。3歳未満児の場合は、保育ママ1人につき最大3人まで預かることができます。
保育ママとして働く場合は自治体の認定を受ける必要があるので、しっかりと確認を行いましょう。
家庭的な保育を行い、保護者と子どもの成長を感じて共に喜び合うことのできますが、長い準備期間や保育スペースの確保が必要です。

認定こども園
認定こども園は、保育園と幼稚園を複合させた保育施設です。保育を行う子どもの対象年齢は0~6歳までと幅広く、子どもと職員の人数も多い施設といえます。
また認定こども園にはいくつかの型があり、幼稚園的機能と保育園的機能の両方をあわせ持つ「幼保連携型」と、既に存在している幼稚園が保育園的な機能を備えた「幼稚園型」の園が多い傾向があります。
認定こども園で働く場合は保育士資格の他に幼稚園教諭の資格が必要になりますので注意が必要です。保育士資格を取得している場合は、幼稚園教諭の資格が取りやすくなっていますので大きな負担にはならないでしょう。
企業内保育施設
企業内保育施設とは、企業職員の子どもを預かって保育する施設です。職場は企業の敷地内などにあり、企業が休みの時は保育施設もお休みとなります。小規模保育であるケースが多く、保育だけでなく働くお母さんをより身近に感じられるという点が、やりがいになるでしょう。
給料は企業によって差があり。、保育士の平均よりも少ないこともありますが、その企業の従業員と同じ額を提示している場合もあります。
病院内保育施設
病院内保育施設では、病院で働く医師や看護師の子どもを預かり保育します。サービス残業が少なく、認可保育園などよりも給料は高い場合もあります。
保護者が病院勤務ということもあり、24時間体制の保育を行っている場合が多いです。保育園などのように大きな行事は少なく、勤務内容はとてもシンプルといえます。
学童保育施設(学童)
学童保育は、対象年齢が7歳からの小学生を対象とした施設です。小学校1~3年生の子どもが多いですが、6年生まで預かっている施設も多数あります。
施設では子どもたちの宿題を見たり、おやつの準備や一緒に遊んだり過ごします。子どもの成長を肌で感じることができ、持ち帰り仕事や残業はほとんどありません。
学童保育の専門的な資格として放課後児童支援員があります。
病児保育施設
病児保育施設とは、嘔吐や発熱などで保育園に登園することのできない子どもの保育を行う施設です。施設で子どもを預かる場合と、自宅訪問をして保育を行う2つの形態があります。
病児を預かるということで、鋭い洞察力と咄嗟の判断力などが必要です。病児保育では保育と看護の両方を行うため、保育士だけでなく看護師や医師も働いています。
また、病児保育には病児保育スペシャリストや認定病児保育専門士といった民間資格があります。これらの資格を取得すれば病児保育施設で働くうえでの大きなアピールポイントとなるでしょう。
放課後等デイサービス
放課後等デイサービスでは、知的や精神に障害がある児童や発達障害の児童を放課後に預かります。施設利用者の対象年齢は幅広く、6歳~20歳未満の人が施設を利用します。
施設によって個性があり、運動や楽器演奏、PC操作などを習い事のように教える「習い事型」、自由な時間を提供しつつ料理や掃除など生活に必要なことを教える「学童保育型」、専門的な療育を受けることができる「療育型」があります。
保育士資格と経験を生かして活躍できる施設はたくさんあります。保育園や幼稚園だけではなく、いろいろな職場をチェックしておきましょう。
自分の生活リズムに合っているか、子育てと両立できるかなど、自分の中にある譲れない条件を明確にした上で仕事を探すことがポイントです。
Comments